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こんにちは、特別支援教室の現役教員、旦那のたつです!
今回は、「特別支援教室の運営に当たり留意すべきこと」についてお話ししようと思います。
特別支援教室とは、特別なサポートが必要な生徒さんたちが、学びやすいようにと設けられた、学校の特別なクラスのことです。
大切なのは「特別支援教室」で学んだことを、いわゆる「普通のクラス」でも生かせるようにすること。
そのためには、学校の先生方がチームとなってサポートすることがすごく重要なんです。
今回も、令和3年に東京都が発行した「特別支援教室の運営ガイドライン」を参考にしています。
このガイドラインは、個々のニーズに合わせた教育や先生方の協力、生徒の社会統合を推進する方法を提案していて、教室が全校の一部として機能するのにとっても大切なんですよ(*´▽`*)
それでは行ってみましょう!
全ての教職員による取組
全教職員でサポート!
週数時間、特別支援教室に通級する生徒たちは、学校のほとんどの時間を「普通のクラス」で過ごしているんです。
だからこそ、特別支援が必要な生徒さんに対しては、専任の先生だけじゃなくて、学校の全ての先生がサポートする必要があるんです。
これって、すごく大切なことです。
学校全体での情報共有
私の学校では、特別支援に関する情報をみんなで共有するために、週に1回、校長先生や副校長先生、各学年の代表の先生方、特別支援教育のリーダーであるコーディネーター、スクールカウンセラー(SC)、特別支援教室の先生が集まって、支援に関する会議をしています。
それに加えて、指導日の放課後には、担任の先生にその日の報告をすることで、情報を共有しているんです。
巡回指導教員との連携
特別支援教室の先生と普通のクラスの担任の先生が協力することも、とても重要です。
私の学校では、先ほども少し書きましたが、指導日の放課後に担任の先生に報告をし、クラスでどんなサポートができるかを一緒に考えたり、アドバイスをしたりしています。
連携型個別指導計画の活用
この連携をさらに深めるために、私たちは「連携型個別指導計画」というものを使っています。
これは、特別支援教室の先生がベースを作り、担任の先生と一緒に作り上げる計画です。
内容には、特別支援教室での目標、それを達成するための方法、普通のクラスでの課題に対する目標と方法が含まれています。
学期の終わりには、その評価を記入し、保護者にも配布して、内容の確認をしてもらいます。
在籍校以外の特別支援教室の利用の可能性
なぜ在籍校以外の特別支援教室が必要なの?
みなさん、通っている学校には、色々なクラスがありますよね。
特別支援教室もその一つで、ここでは、ちょっと他のクラスとは違ったサポートが必要な生徒たちが、その必要に応じた教育を受けています。
でもね、時には、その子にとってもっとぴったりの教室が、自分の学校じゃなくて、別の学校にあることもあるんです。
たとえば、ある特定の支援が得意な学校が近くにあったら、そこで勉強する方が、その子にとってはすごく良いかもしれません。
そんな時、わたしたちは「在籍校以外の特別支援教室」の利用を考えるんですよ。
どうやって在籍校以外の教室を利用するの?
このシステムをうまく機能させるには、学校と学校、先生と先生が、情報をしっかりと共有することが大切です。
そうすることで、どの学校にいても、同じように手厚いサポートを受けられるようになるんです。
「でも、遠い学校に行くのにお金がかかるよね?」と思う方もいるかもしれません。
大丈夫です!他の学校に行くための交通費は、「特別支援教育就学奨励費」という支援でカバーできるんです。
でも現在は…
ここからは私の実感の話です。
他の学校に行くことができるこの制度、制度としてはあるんですが、ほとんど使っている人を見ません。
この制度は、すべての学校に特別支援教室がなかった時からある制度で、数年前まではよくあったそうなんですが、現在は、すべての学校に特別支援教室があるため、ほとんど使いません。
さらに言えば、私の自治体では、他の地区の特別支援教室の利用はさせてもらえないようです。
なのでたとえば、ずっとお世話になっていた先生が転勤で別の学校に移るから、転勤先の学校まで通うなんてことはできないのです。
じゃあ、どんなときに使うのか
というと、自校で特別支援教室を利用していることをクラスメイトに絶対にばれたくないとこだわりを持っている場合くらいですかね…
そういう場合は、毎週通院みたいなていにして、特別支援教室に言っていることを隠すことができます。
そこまでする人に私は、まだ会ったことがありませんが…(;^_^A
中学校特有の状況への配慮
複雑化する人間関係等への対応
中学生になると、人間関係がより複雑になり、未来への不安を抱えやすくなる生徒もいます。
特別支援教室では、こうした生徒の心理的な安定を図るために、進路や将来に対する明確なビジョンを持たせるサポートを大切にしています。
小学校から中学校への指導の接続
小学校から中学校への移行期には、個別の教育支援計画や学校生活支援シートを活用して、スムーズな情報の引継ぎを行います。
これによって、中学校での特別支援教室のサポートが、前の学校から無理なく続けられるように配慮しています。
中学校から高校等への指導の接続
さらに、中学校から高校への移行期にも、進学先との情報共有や引継ぎを適切に行うことが大切です。
令和3年度からは、全ての都立高校や中等教育学校で通級指導が可能になり、より一層のサポートが提供されるようになりました。
まとめ
というわけで、特別支援教室の運営では、学校の先生方全員がチームとなって、それぞれの生徒さんが持つ可能性を最大限に引き出すサポートをすることがすごく大切なんです。
特別支援教室では、生徒一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを心がけ、彼らが自信を持って次のステップへ進めるよう助けています。
生徒一人ひとりが輝けるような学校生活を作るために、学校と保護者、みんなで力を合わせていきましょうね!
次回で「特別支援教室って何?」シリーズも一区切り。「不登校の児童・生徒への対応」についてお伝えします。
不登校のお子さんを持つ親御さんも、そのお子さん自身も、一緒に乗り越えられるように、役立つ情報をお届けしますので、お楽しみに!
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特別支援教室を検討している保護者の方や特別支援に興味がある人の参考になれば幸いです!
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それでは皆さん、また次回もお楽しみに!
ではでは~♪
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